さわやかな風が、いつも心に吹きますように
いのちの対話
2005年10月02日 (日) | 編集 |
昨夜、あるテレビ番組を観ていた。
朝から新聞の番組欄で見つけ、観たいと思っていた番組だ。
妊娠中絶を決意した女性達と向き合う、2人の医師の話し。
院長は60を超えて人情味のある医師と、副院長は研修医時代から妊娠中絶だけは施術しなかった医師と。
手術をして半年以上も経つ女性達が、のちのちの後悔の想いを断ち切れず、医師たちに相談に訪れるという。
関東のとある産婦人科クリニックで、そこは年間500件ほどの分娩件数と、年間80件ほどの妊娠中絶手術をこなしている施設だった。

妊娠をしても、結局途中で妊娠を絶たなければいけない状況下にいる女性達はたくさんいる。
非婚で子どもを産む事に対し、日本は非常に理解や福祉の低い国なので、妊娠中絶を余儀なく選択するしかないこともある。
ましてや、妊娠を知った途端、パートナーの男性が変貌したりしたら。
本当に俺の子なのかと、信じがたい言葉を発するような男性だったら、これからその人と生きて行く事に対し、信頼できなくなってしまう。

番組で取材を受けていた未婚のカップルは、男性は産んで欲しいと望んでいた。
けれど、女性はそれまでのいきさつや彼の態度から、中絶を決意していた。
彼女は大変揺れていた。

妊娠中絶をして、心も身体も傷つくのは女性だ。
男性は、身を持って実感がないので、理解しにくいのは生理的に仕方ないのかもしれない。

でも。
助産師なんかしていると、なんで望まない妊娠を避ける手段を、女性達はしなかったのだろうと思う。
妊娠しても、中絶を選択しなければならないであろう状況下に自分がいることは、わかってるはずだ。
妊娠がひとつのきっかけで、相手の男性と(または非婚で一人で)これからの人生、生きて行くと言う方向性がないのであれば、妊娠を避けるすべを身につけて欲しい。
自分が傷つかないためにも。

そして、赤ちゃんのためにも。
親の都合で、この世に産まれてきてなかったかもしれないと思ったら、とてもつらくて悲しくて残酷だ。

正しい知識がまだ持てない、10代のような若い世代に妊娠中絶が増えているのは、以前から言われていたことだ。
けれど、子育て中や、子どもを育て上げた年齢の女性、20代30代のある程度知識があるように思われる女性達にも、妊娠中絶は増えているのも現状だ。

男性をつなぎとめたいために、避妊をしての一言が言えない場合もあるだろう。
NO!と言えない場合もあるのだろう。
でも、避妊は相手に依頼するものでも、強要するものでもないと思う。
妊娠するのは自分なのだから。
まず、自分で自分を守ることを考えなくちゃ。
その上で、パートナーともよく話し合って欲しい。

日本で一番ポピュラーな避妊法は、コンドームになる。
女性用も発売されているが、使い勝手や、日本人女性の性格や相性から、普及率が低いのが現状だ。
医師の処方もいらず、手軽に使用できるコンドームは、男性が使用するもの。
けれど、妊娠するのは、一体だれなのだろう。
望まない妊娠をして、心も身体も傷つくのは、だれなんだろう。

どうぞ基礎体温を測ってください。
女性の身体には、神秘的なリズムがあります。
妊娠するかもしれない時期、妊娠しやすい時期、まったく妊娠しない時期、と言うのが女性の身体にはあります。
そのリズムを知ってください。
自分の身体を知ると、自分の身体がよくわかり、自分のことが好きになり、自分を大事にしようと思います。
自分の身体を、自分で守ってあげてください。
自分の身体を守ることに、賢くなってください。

私は高校生の頃、中学時代からの友達に、妊娠中絶をする、親には言えないので保護者の欄に親に代わって名前を書いて欲しいと言われたことがある。
私は昔から、かわいい文字を書くことがなく、いわゆる「大人の字を書くから」と言うのが理由だった。
私は悩んだあげく、断った。
そして彼女に手紙も書いた。
彼女は他に、保護者の代筆者を探し、親にだまって手術を受けた。
そう選択するしかなかったのだと思う。
私も彼女も。

そして。
かつて、私は元夫の恋愛相手に、妊娠中絶をせまったことがある。
結果的に、彼女は彼女の意思で、妊娠中絶を受けた。
女性としての立場のわたしは、夫の恋愛相手に妊娠中絶をせまり、かたや翌日職場に行くと、妊娠中の女性に対し、応援し看護すると言う立場に立っていた。
同じ妊娠している女性に対し、天と地とも違う、感情を抱いていた。
助産師をしていくことに、非常に辛く、自信が持てなくなっており、すごく不安定だったのを覚えている。
「助産師だって、ただの女なんだから」
数年経ってから、同じ助産師仲間にぽつりと言われた言葉に、私の中の罪悪感や後悔の想いは少しずつ軽くなっていった。
お産の現場に戻ろうと思えるきっかけにもなった。

妊娠すれば中絶を選択する前に、まず妊娠を避ける方法を学んでください。
そして、妊娠を望んだときに、かわいい赤ちゃんをその手に抱っこできるように。


※望まない妊娠を避けるために、女性が主体的に使用できる避妊法は、基礎体温の他に、ピルやIUDや避妊手術等ありますが、女性の体調や出産経験など条件が必要になってきます。それらはすべて医師に相談してください。

※性感染症(STD)予防もふまえて避妊できるのは、コンドームしかありません。

※女性の心も身体も、そして赤ちゃんも傷つけてしまう妊娠中絶は避けて行きたい意思が私にはありますが、レイプなど悲しい事件に遭遇した場合は、この限りではありません。
テーマ:女性の病気
ジャンル:心と身体