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2005.05.08 17:18

シングルママなら、意外とみんな同じような不安を抱いていることが多いのではないだろうか。
まず、一番大きな不安は経済的なこと。
私は資格があるため、離婚時にはみんなに「カンチ君1人くらい育てていけるからいいじゃない」と言われたが、実はこういうことを言われるのは非常に傷ついていた。
これだって私が健康で元気でないと、発揮できないものだ。
私に万が一何かあれば、カンチをどうやって育てていくと言うのだ。

そして次に。
他のシングルママはどういうことが不安になるかわからないが、私の場合は「危機管理」である。
いくら貧乏といっても、取られる物が何もないといっても、泥棒が入った後のような部屋の散らかりようだとしても、そこはやはり女と子どもだけの住まいだ。
外部からの侵入者に対しては、危機管理を徹底しておかないといけないと思う。

前夫が出て行った後、何が一番不安で怖かったかと言えば、カンチと2人きりで夜を過ごすと言うことであった。
前夫との関係で傷つき、疑心暗鬼になっている精神状態のときであった当時は、余計に怖かった。
カンチとの生活に慣れてきてからも、私は外出時と寝る前の戸締りには気を使った。
強迫観念かと思われるくらい、戸締りは何回も確認する。

カンチが3歳のときだっただろうか。
無意識の奥底ではまだまだ気も張っている頃だったのだろう、とても怖い夢を見た。
私の部屋に、見知らぬ人物が侵入してくる夢だった。

その男は「清水のおっさん」と名乗っていた。
なぜ「清水」なのかは、夢なので詳細は不明であるが。
特に乱暴されたり、物を取られたりすることは無かったが、何かしら不気味な雰囲気をかもし出していたおっさんだった(ように思った)。
朝起きて、私はカンチに「お母さん、怖い夢を見たよ~。」と、「清水のおっさん」の話をした。
怖い夢だったので、誰かに話したかったのだ。
もちろん、相手は子どもなので、生々しい表現は出来ない。
変に怖がらせてもいけないし。
そんな風に、言葉を選んで私は話をしていたのだが、カンチの取りかたは違っていた。
そう、カンチはなぜか、大うけしてしまった。
「おっさん」と言うフレーズが、子ども心をくすぐったのだろうか、私は「お母さんが怖い夢を見たって言うのに、ちょっとは慰めてよ!」と、朝からぶりぶり怒っていた。
そしてその朝も、カンチは第一次反抗期丸出しで、私の言うことを聞かなかった。
怖い夢を見たというのに、カンチには笑われ、時間がないというのにカンチは反抗する。
私は思わず口に出てしまった。
「そんな子は、清水のおっさんに連れて行ってもらうよ!」
カンチは、一瞬ぴくっとした。
やはり、ちょっとは怖いと思っていたのだろう。
カンチは、それから言うことをよく聞くようになった(長くは続かなかったが)

私は子どもの頃を思い出した。
私は3人兄弟の一番上なのだが、兄弟と言うものは、なぜあんなにけんかをするものなのだろうか。
私たちも、よくけんかをしていた。
兄弟けんかの内容は、誰かが叩いたのだの、妹が私の大事なシールを破いただの、そんなつまらないことが多い。
そんなある日、兄弟けんかを見かねた祖母が、「そんなにけんかするんやったら、子取りのおっちゃんに連れて行ってもらうよ!」と、大声を張り上げた。
私たちは、ぴたりとけんかをやめた。
それほど「子取りのおっちゃん」は怖かったのだ。
架空の人物であるはずなのに、子どもにとっては怖いのだった。
それからはけんかをするたびに、祖母は「子取りのおっちゃん」を呼びに言ったり、「子取りのおっちゃん」に電話をかけたりしていた。
その芝居の様子が、余計「子取りのおっちゃん」を現実のものと思い込ませる。
なかなか、大人と言うのは、芝居上手だ。

ある育児の本では「鬼田さん」と書かれてあって、やはり兄弟けんかをしたり、子どもが駄々をこねたりすると、母親は「鬼田さん」に電話をし、子どもの人数を言い、家に来てもらうように予約をする。
子どもの人数を言うと言うことは、子どもを連れて行くのに、鬼田さんは大きな袋なんかを人数分用意するのだろうか。

そんな「子取りのおっちゃん」や「鬼田さん」のような効用が、「清水のおっさん」には有ったようで、カンチは見事に言うことを聞いた。
私も、しばらく楽しませてもらった。

カンチも小学生になり、ギャングエイジばりの反抗的な口を叩くが、もう「清水のおっさん」は通用しない。
当たり前か。

カンチの心の中には、もう「清水のおっさん」は存在しない。
しかし私の心の中には、まだ「清水のおっさん」は住んでいる。
そして今夜も、玄関とトイレの窓の鍵を3回確認し、寝ることにしよう。
戸締りだけは、怠らないようにしなければ。
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テーマ : シングルマザー - ジャンル : 育児

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